『ポニョ』の見せる世界は無謬な世界だ。気持ち悪いと感じる人がいるのも尤もなことかもしれない。その無謬はあらゆる発展を必要としない。俺が拘泥させられるのは、そこに物語を持ち込むことの混乱なのか。やっぱり、わけわかんないアニメだったなあ。もう一回見に行く?一回で納得できたというMは卓越しているといわざるを得ない。

西洋骨董洋菓子店〜アンティーク〜 第3話「四人の新味」

こういうの好きなんだよなあ。セリフを使わなくても、見せ方を工夫すれば、いくらでも感情を込めることができる。見る、それで十全に楽しめる。それはアニメの理想形の一つなんじゃないの、と思う。くどいと言えばそうかもしれないけど。
コンテ・演出:平尾美穂。

秘密〜The Revelation〜 第16話「ファイナル・テイク」

なんか良いなあ。具体的に指摘するのは難しいが、カットが切り替わったときの小さい動きとか、影の使い方とか、そういうところの上手さは感じられた。その辺は『秘密』では今まで見たことのないやり方だと思った。俺が主題化できないレベルでの工夫もあるのだろう。お話もMRI全盲を生かしたなかなか興味深いもので面白かった。だからって家政婦に殺人させなくてもいいよなあ、という秘密テイストは失っていないあたりも良い。
コンテ・演出:いしづかあつこ。『NANA』やら『メイプルストーリー』で名前は見かけていたが、意識したことはなかった。

RD潜脳調査室 第16話「透明な力 ism」

これも語らずして語るなあ。語るところではしっかり語るけれども。
俺はこの回を見て、ホロンかわいいなあとか思うわけだがそれって偶発的な感情じゃなくて、制作者に誘導された結果生じる、ある意味必然的な感情なんだよなあ。今回、ホロンが相当ねっとりと映し出されるので意識せざるを得ないし、他方では画面的にソウタの主観と俺の主観が重なるようになっていて、そこからホロンに向かう意識が形成されてもいる。
今回の話を大雑把にまとめると、ソウタが「ホロンに勝てない悔しさ」と「ホロンに書記長の影を見てしまう後ろめたさ」を、ホロンが一人の女性であることを認めて乗り越えるという話だった。・・・よな?結構錯綜していて、ソウタの感情の揺れを追うのが楽しい良いお話だったと思うのだが、セリフに変なアソビが多いような気もする。書記長がワインを掲げて「神の血」と口にするのは本筋とは何の関係もないし、書記長とダブらせるためとはいえホロンが人間の愛を語るのも不自然ではないだろうか。いや、そうでもない気もするな。
作画監督の大久保徹は5話「スーマラン」も担当。格闘が好きな人なのか。今回のソウタと敵アンドロイドの格闘の動きがOPの格闘の動きと一緒だったなあ。松本憲生?つか、OPでソウタと戦ってるのは今回のアンドロイドだったのね。格闘シーンが大げさ過ぎなくて良い。十分見ごたえあるし。