ドラゴンボールZ(再)第90話「ハッタリじゃねえぞ!!大胆素敵な奴・孫悟空」

大胆不敵じゃなくて素敵なのね。タイトルが素敵だよ。まあそれはいいとして。
Aパート終盤&Bパート冒頭、フリーザの動きが早すぎて悟空には見えない!ことを、悟空のアップのカットにいきなりフリーザが飛び込んでくることで表現していたのは、面白い。いや、珍しい演出方法ではないのだろうが。アップのカットでは、キャラクターとカメラ=視聴者(の目)が近いことになる。それは物理的な距離ではなく、むしろ心理的な距離だ。カメラと対象の距離が近づくにつれ、心理的に視聴者とキャラを重ね合わせようとする意図は強くなる。もっと言えば、アップのカットはキャラの主観であり、アップのカットを見ることで、キャラの主観と視聴者の主観が近づく。逆にロングのカットほど客観的であることになる。と考えてみて、Aパート終盤&Bパート冒頭を見ると、面白い気がする。悟空のアップのカットは悟空の主観を表している。そこにいきなりフリーザが飛び込んでくるのは、悟空にフリーザが見えてないからだ。そして画面外から突如飛び込んでくるため、視聴者にも見えないのである。上手く文章にできない。何度も同じことを書いてしまうなあ。この演出で、悟空にフリーザが見えていないことと悟空の驚きを、悟空の主観をかなり直接に媒介し、視聴者に伝えることができるのではないか。うん。演出:上田芳裕。作画監督は前田実、ギラギラしていて見ごたえがあった。