シゴフミ 第3話

水子の血糊べったりな手形にはドキっとした。良い。でも、そこは今回のお話とは関係なくて。今回のお話は、トモダチなのかどうかすら分からないくらい他人のことを知らないし知れないのだけど、飛び降りた理由は理解できてしまう、他人のことは分からないのだけど分かりたいし、分からないなりにどこかでは共有できるものがある、というような感じだったか。どんな感じだ。まとめられねえ。やはり、あまり好きな脚本ではないなあ。人間の病理性を描写するための一つのパーツとしての今回ならば、それはまだ評価を保留するが、どうなんだ。映像は結構好きだ。繰り返し登場するほとんどシルエットの駅のホームは、飛び降りる機会の接近を感じて不安になる。だが、そこから躊躇いなくふわりと飛び降りる人々のシーンは逆に気持ちいい。何かと光の使いかたが上手い気がする。よう言えんけど。
植田佳奈松岡由貴はすごく異常な雰囲気を醸し出せていて良いと思う。二人がしゃべるだけで、異質な、でもある種予定調和的なアニメ的なものの到来を感じられる。佳奈ちゃんの場合、台詞からして異質(「配達人」「シゴフミ」など、話すのは装置的な台詞ばかりだ)なせいもあるだろうが、芝居も非人間的でぐっと来る。でも、それ以上に松岡由貴は卓越してるだろ。これは俺の感じ方でしかないが、松岡由貴はともすれば下手な声優のようなのだが、それは狙ってるんじゃないかと思えるときがあって、これを狙ってやってるならあまりに病的だな、と思う。一時期のBLEACHの織姫なんかは、抑圧されたヒロイン性をよく表現していた気がする。一時期だけだったんだが。で、本作品においても、病的な空元気じゃない?今回の「そうだよねー人間ておかしいよねー笑」の台詞が特になんともいえない不気味さだった。誤認かなあ。