ふしぎ遊戯(再) 第47話

なんと言えばよいのか。パワフルな演出だった。有無を言わさない強さ。細かいところの作画や演出が大雑把になっているので、現場的に余力がない時期だったのかもしれない。だが、それを逆手にとるかのような演出だ。Aパートにおいては、いくつかの止め絵が与える迫力・想像力が凄まじい。そしてBパートはライブシーンと鬼宿の疾走・跳躍でねじ伏せる。魅せるなどという生易しいものではなく、本当にねじ伏せられた気がする。ここまでは乱暴なのに、最後は鬼宿の格好良い立ち姿とキメ台詞で綺麗に締め。セリフが真っ直ぐで感動的だし。いやすげえわ。
鬼宿がドラマの撮影現場を目にして、自分の本当の想いに気づくあたりも好きだ。虚構であるドラマのセリフが同じく虚構である鬼宿に響き、それが現実に展開していく。虚構の中にも何か本当があると思わせられるし、ストーリー全体としても、おそらく示唆的な何かだろう。
脚本/浦沢義雄、コンテ・演出/西澤晋、作画監督/本橋秀之。西澤晋さんらしい演出だった気もする。