魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜 第1話「美瑛より」

これも前作その他について全く知らない。前作は幻界の好きなアニメとして認識されているが、それだけだ。
実写風景をそのまま取り込んだかのような背景は特徴の一つだろう。風景として、それだけで眺められる映像的な強度を感じる。その特徴を利用してか、オフヴォイスとロングのカットが物凄く多い。それらの手法によりキャラクターが良く見えなくなり、遠くから物語を眺めているような、ふわっと軽い感触のアニメに出来ているのかもしれない。その雰囲気作りに花澤香菜が大きく絡んでいることは言うまでもない。逆行で画面の一部がシルエットになるのはアクセントかなあ。背景の自然物の柔らかさに対する、人工物のかっちりした存在感も面白い。舞台が東京に移れば、それも生かされるだろう。風景とは逆方向にデフォルメされたキャラクターからは、その分、シンボリックな生気を感じられて良い。ソラとお母さんの食事シーンとか、すげえかわいい。小林治ってことか。
お話は本当にどうでもいいものだが、映像・音声から雰囲気を作り出しているから、しかし許される。