自分の鈍感さに我慢がならない。鈍感であることに救われている部分があるとしても、俺はもっと敏感になりたい。自分に感覚できないことが、他人には感じられる。我慢できない。感じられなければ、それを元手に考えることができない。もう終わってる。あー、でも、もう俺がより多感に、感受性豊かになることはできないんだろうな。なんとなく他人のやり方を真似て、擬似的にそういう状態に持っていくことしか出来ないんだろうな。うげえ。

というわけで、大したことを感じてはいないのだろうけど。面白かったと思う。
エヴァ』が持っていたトリック・レトリックのようなものを排し、あらたな意図でもって、そして『エヴァ』の意図を明確にして、作り直したように感じた。多分、分かりやすくしようとしているのだろう。かつて謎として長く置かれたモノどもを、序盤でさっさと明かしてしまうあたりとか。かつてその意図がはっきりしなかったモノどもを強調して描いてしまうとか。ラミエルもその端的な例の一つだろう。『エヴァ』では最も無感情な使徒(他の使徒もそうっちゃそうだが)であったにもかかわらず、『ヱヴァ』ではあんなにも表情豊かな使徒になっている。個人的にはあまり感心しないのだが、やはりああくるくると変形されると見ているだけで楽しい。そういうわかりやすさじゃないだろうか。エンターテインメントに帰結させてしまうと違うかなあ。わからん。
映像的には、エヴァのアクションの魅力は減っているような気がしたが、ドンパチの迫力はすごい。ミサイル弾丸ビーム爆発爆炎。それを見せる演出がかなり付け加えられていた。サキエル戦でのエヴァが随分暗い気がした。緑色の部分だけがやたら蛍光して、かっこいいのかもしれないけど、見にくかった。だが、ラミエル戦では緑色の部分が光ってない気がした。なんだ。蛍光塗料じゃないのか?
三石の芝居がかなり変わっていることはさすがに感じた。良くなっているのかは判断できない。
あー、も一回見に行ってもいいのか。めんどい。面白いとは思ったけど、後に尾を引くものではなかったなあ。俺はやはりエヴァ厨ではないんだ。そして、エヴァ以降のアニメが全部意味の無いものだったんだとは思えない。エヴァンゲリオンが一番面白いアニメだったとも言えない。その程度の男です。