ONE PIECE 第335話  新世界で待つ!勇ましき海賊との別れ


ああ、アツアツの実の能力者ドン・アッチーノが体温を一万度まで上昇させた。だが、ルフィは「俺のほうが熱い!!」と言い切って、ドン・アッチーノをぶっ飛ばしてしまった。まあ、それはいいんだ。全部いいんだ。悪いのは俺の心だ。ワンピースみたいな「熱い」漫画で、「熱い」主人公が、一万度の敵に向かって「俺のほうが熱い!!」というのは、痛快ではあるのだが、何か。ワンピースにこんな突っ込みは意味がない。俺が悪い。
いや、気になったのは、田中真弓の演技が、その熱さの割にはあっさりしていた(そのように俺が感じた)ことだ。そこに引っかかる。声優の感情表現というのは、演技論(=多くの人に通用すると思われる感情表現の仕方)と、声優個人が経験的に得た感情表現の仕方、これら二つが合わさってできているのではないか、と最近、感じるのだが―――否、問題はそこではなくて、いかに万人に通じるであろう表現をしても、そういう表現の仕方を知らない人間には、その表現が何を意味しているのか、わからないんだよなあ、と思ったということだ。うん。今回、あっさりしすぎてるなあ、と俺は思ったが、十分に熱いと感じる人もいるんじゃないかとか。田中真弓は、一般的に言って、優秀な声優だろうと俺が考えているからだが。
いつも以上に支離滅裂だ。演技の良し悪しというものの評価をどうしたらいいのか、俺の好みではない、もっと超越的な視点を俺が得ることは可能なのか、という今までずっと抱いてきた疑問の反復でしかないうんこ。