「2009年ベスト/ワーストアニメ」

普段はあまりこういうことをしないのだが、今回はちょっとしたきっかけもあり、少しだけ2009年を振り返ってみることにする。
なぜ普段はあまりこういうことをしないのか。一つの作品を一つの作品として把握することが私にはできないからだ。TVアニメであれば、一つの作品には短くとも3ヶ月の広がりがある(私は一気にまとめて視聴することはほとんどないので)。一つの作品を一つのものとして捉えるためには、この3ヶ月という時間を取りまとめることが必要である。たとえ、一気に見たとしても、およそ6時間。そのあいだに移り変わっていく無数のカット、積み重ねられる諸要素をひとつのものに構成しなおさなければ、一つの作品として語り直すということが不可能である。私にとってTVアニメは、船首が現れるときには船尾は隠れて見えず、船尾が見えるころには船首は通り過ぎ去ってしまう、そのような巨大な船のようなものだ。それゆえに私は、一つの挿話や、一つのシーンや、一つのカットや、一つの要素のような、比較的小さく、一挙に把握できるものについてしか語れない。事実、私のブログはそういうかたちでしか成り立っていない。あるいは、小さいものたちの総和を全体とみなすことも妥当かもしれないが、そのような努力も私はしていない。けれども、今回はその不能を無能なままに断行する。きらめく知性と力強いことばで、2009年を確かに創造するアニメブロガーのみなさんを見習いたいものだけれども……。あいまいな印象だけで私は語ることになる。「なんとなく面白かったな」程度。まあ、前置きはこのあたりにしておこう。



◆ベスト
空を見上げる少女の瞳に映る世界』(監督:木上益治 / 制作:京都アニメーション

「なんとなく面白かったな」程度の基準で考えると、そのような作品はそれなりの数にのぼる。その中で一つだけを選ぶことにすると、どうしても、なにか引っかかるものを選ばざるをえない。これを選んじゃっていいのか?みたいなものを。いや、率直に面白い作品だったと思うのだけれど。いま、DVDを見直してみてもそう思うものなあ。どうして買っちゃったんだろう。わけがわからない。劇場版も楽しい。少しだけ見返してみて思うのは、画面のつながりの心地よさ。空。ユメミちゃんの可愛さ。引き込まれる。
いちばん嫌いなタイプのアニメ感想文になってしまった。


◆ワースト
化物語』(監督:新房昭之 / 制作:シャフト)
工業都市のような作品だと感じた。様々なものが個別性に打ち震えているような。そんなアニメは見ていてちょっと辛い。
いずれもう少しまとまったかたちで考え直してみたい。




◆その他(なんとなく面白かったなと思う作品)

あにゃまる探偵 キルミンずぅ
11eyes
クロスゲーム
けいおん!
源氏物語千年紀 Genji
鋼殻のレギオス
ささめきこと
GA 芸術科アートデザインクラス
真・恋姫†無双
涼宮ハルヒの憂鬱
生徒会の一存
大正野球娘。
とある科学の超電磁砲
ドルアーガの塔 〜the Sword of URUK〜
夏のあらし!
にゃんこい!
乃木坂春香の秘密 ぴゅあれっつぁ♪
鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST
・ファイト一発! 充電ちゃん!!
・Phantom 〜Requiem for the Phantom〜
WHITE ALBUM
・夢色パティシエール
RIDEBACK

他にも面白い作品は多かったと思う。継続している『NARUTO』や『REBORN!』も楽しい2009年だった気もする。
いや、しかし、作品評は俺には不可能だなあ。


遅ればせながら、こちら↓のみなさんの企画に乗っからせてもらいます。
http://d.hatena.ne.jp/ill_critique/20091220/1261317064
http://d.hatena.ne.jp/episode_zero/20091220/p2